こんにちは、さなです♪
タイトルにもある通り、入園2週間で「お話があるので、お迎えの前に職員室にいらしてください」と園長先生からお電話をいただきました。
保育園から電話があるとドキッとしますよね。
ケガをしたのか、それとも熱が出てお迎えなのか。
しかも 担任の先生ではなく、園長先生!!
なにかトラブルを起こしたのか とても心配で仕事どころではありませんでした。
今回は現在高校生の息子が保育園の頃、障がいの診断前~診断後の母親の心境や、今だからこそわかる障がい児の育児で大切なことについてお話しします。
園長先生と対面
仕事を終えた後、すぐに職員室に向かいました。
他の先生は園児のところにいるので、そこには園長先生がおひとり。
入園式でお話ししている姿は見ましたが、1対1でお話しするのは初めてで心臓がバクバクです。
園長先生は、
「本日はお忙しいところ申し訳ありません。〇〇君のことですが、午前中の外遊びの時間に園のフェンスをよじ登って隣の公園に行ってしまいました。この2週間、似たようなことがあり保育士も注意をして保育しておりましたが、防げませんでした。
そして 注意深く〇〇君の園での様子を見ておりましたが、単刀直入に申し上げます。
彼は育てにくい子の部類に入ると思います。早急にかかりつけ医に相談された方が良いと思います」
こうお話ししてくださいました。
保育園の隣には地域の公園があり、お迎えの後、保護者と一緒にその公園を利用する子供たちもいます。
保育園と公園の間には緑のフェンスがあり、そのフェンスをよじ登って保育園を脱走し、公園に入ってしまったようでした。
ほっとした
育てにくい子の部類に入る・・・。
息子は寝ている時以外 止まっていることがほぼ無く、食べている時でさえ走り回ってしまう。
買い物に連れて行き、カートに乗せても飛び降りて急に走り出してしまう。
公園で遊んでいていても急に道路に出ようとする。
その場でいくら注意しても、言葉はオウム返しのため理解が難しい。
本などの絵を交えて教えようにも、動き回って絵を見るどころではない・・・。
こういったことを人に相談しても、「男の子はみんなそんな感じだよ!もう少し成長すれば変わるよ!」の一言で済まされてしまいました。
でも、3歳健診などの時に 走り回って会場を脱走しようとする子供を追いかけて汗だくになっているのは私だけでした。
健診の際は言葉の発達がゆっくりだということで、数か月後お電話があっただけで、特に引っかかることはありませんでした。
ただ 尋常じゃなく動き回るので、スーパーや公園、待合室などでコソコソ、または面と向かって「若い母親だからしつけができてない」「子供が子供を産んで」「今の母親は叩かないから、私たちの時は悪いことしたら叩いて教えた」と言われたのも1度や2度ではありません。
私は育児が下手なんだ。人間として未熟なのに産んでしまってごめんなさい。
毎日そんなことを考え、追い詰められていました。
ですが、園長先生から
「育てにくい子の部類に入ると思います」
保育のプロからハッキリそう言ってもらえて、思わず
「やっぱり、そうですよねっ!!!」
と言葉が出てしまいました。すごくホッとしたのを覚えています。
子供の年齢=母親レベルだとしたら、母親レベル3~4の時にラスボス級の息子がいるわけです(汗)
かかりつけの小児科医の話し
園長先生から「早急にかかりつけ医へ」とのアドバイスをいただいたので、そのまま保育園から小児科へ向かいました。
男の子はみんなそうですよ
かかりつけのお医者さんに相談すると、「お母さん、〇〇君見てると普通ですよ。男の子はみんなそんなものです。心配しすぎだと思いますよ。もう少し様子を見ましょう」
またこの言葉か・・・と思いましたが、その日はそのまま帰宅となりました。
確かに、その病院ではそこまで走り回っていません。
だって、体調の悪い時に行くんですから・・・。
熱が高くてぐったりしている時は、ラスボス級でも走り回れません。
園長先生にかかりつけ医でのことをお話しすると
「わかりました。ではもう少し様子を見ながら、園での様子を細かく担任の先生とまとめてみます。その用紙を持って、もう一度かかりつけ医に相談しましょう」
となり、数か月様子を見て 先生方にお手紙にまとめていただきました。
そこまで心配なら紹介状書きますよ
数か月後、保育園の先生方がまとめて下さったお手紙(私は中身は見ていません)をかかりつけ医に渡しました。
そして家庭での困りごと、心配をお話ししました。
ひたすら走り回っている。オウム返しがほとんどで 会話ができない。癇癪が酷いなどなど・・・。
お手紙を読み、一通り私の話を聞き、お医者さんは
「そこまで心配なら紹介状を書きます。ただ、僕は何も心配いらないと思います」
と言いながら紹介状を渡してくれました。
専門の病院へ
専門の病院でも保育園の先生のお手紙を渡し、私も一通り今までの経緯を話しました。
「発達検査をしてみましょう」
担当医は田中ビネー知能検査というものを受けさせてくれました。
保育園に呼び出されてから検査を受けるまで、1年を要しました。
そして検査を受けるも、もちろんじっとしていられず検査になりません(汗)
それでもなんとか検査を終え、診断名が付きました。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)です。
今でこそ有名な方が「実はADHDなんです」と告白し、障がいの名前をご存じの方もいるかもしれません。
ですが、今から十数年前はメジャーな名前ではありませんでした。
障がいの周知
診断名が付き、まずしたことは障がいの周知です。
息子の見た目は正直普通です。
顔だけでは障がいがあるのか判断できません。
みんな無意識のうちに世間一般で言われる「普通」に当てはめ、できないことや苦手なことがあれば、そこをつつく、もしくはひどい言葉を言われることもあるかもしれません。
息子が少しでもすごしやすく、周りも穏やかにすごせるよう 障がいを周知し、こんな特性がありますがこういったことは得意です、というような息子の取扱説明書的なことを周りの方にお伝えしました。
家族の反応
私の実家は「すごい動くもんね、納得!」といった感じで、特に何もありませんでした。
夫は、あまり気にしていないというか、仕事でそれどころではない感じ。
夫の両親は「今は何でも障がいって名前が付くんだね。昔はそんなことなかったよ」といった感じで、何かの間違いじゃない?といった反応でした。
このままでは私がすべて抱え込むことになり、精神的に潰れてしまうと思い、家族を巻き込んで息子を理解できるようにしようと思いました。
ADHDや自閉症の特性もあったため、関連する本を片っ端から読み、付箋を貼り、夫や夫の両親と一緒に読みました。
障がいがあるという事実を家族が受け入れるには1~2年かかったのかなぁと思います。
ただ 夫の両親は、障がい児として見ているのではなく、尋常じゃなく動き回り、オウム返しが上手な可愛い孫としていつも見てくれていました。
ですので、愛情いっぱいです。
わかりやすく言うと、いつでもニコニコ尋常じゃなく動き回る小さな のび太君といった感じでしょうか(笑)
保育園の先生の反応
先生方からは、「診断名が付いて良かったね。私たちも〇〇君がすごしやすいように勉強するね」といった神のようなお言葉をいただきました。
それ以降、「〇〇君、色の名前が言えるようになってきたね」「最近どうぶつ将棋に興味がわきだしてるよ」「少し言葉が出てきてるから、言語訓練に行ってみるといいかも」など、私と息子に対してプラスの言葉がけや、アドバイスをたくさんいただきました。
周りの保護者の反応
息子に診断名が付いた年、私は父母会で委員をしていました。
父母会の集まりは月に数回あるのですが、診断名が付いてすぐ、その日の議題の前にお時間をいただきました。
障がいがあるとわかったこと、どんな特性があるのか、ご迷惑をおかけすることがあるかもしれないことなどなど、たくさん頭を下げながらお伝えしました。
周りの反応は、「うちも迷惑かけるかもしれないし大丈夫だよ」「〇〇君いつも走り回って元気だよね」「噛んだり叩いたりしないし、気にすることないよ」といった肯定的な言葉をいただきました。
小学校の通学団&同学年の子供たちの反応
保育園を卒園した後も、多動があり危険だったため、学校の行きも帰りも私の送り迎えでした。
車でもいいですよと学校からお伝えいただきましたが、私も一緒に朝の通学団や下校時、息子と手をつなぎ、娘を抱っこしながら他の生徒に交じって歩きました。
その際、朝の通学団、下校時の同学年で帰宅方向が一緒の子供たちに周知しました。
障がいという言葉は使いませんでしたが、「こんな特徴がある子なんだ。もし困ってたら、助けてあげてくれたら嬉しいな。よろしくお願いします」と伝えました。
「〇〇学級(支援級)なんだ、いいよ!なんかあったら言えよ!」「言葉は喋れるの?」「何が好きなの?」「何ができないの?」「お顔普通だよ?」などいろんな言葉が飛び交いましたが、ひとつひとつ答えました。
障がい児の育児で大切なこと
障がいに対して肯定的な方ばかりではありません。
習い事で一緒だったママさんに障がいのことをお話したら、その後一切かかわっていただけなくなったこともありますし、小学校、中学校でもいじめの対象になったこと、なりかけたこともあります。
ですが、息子の友達が「〇〇はこのままでいいんだよ!そんなこと言うならあっち行けよ!」といじめっ子を成敗してくれたり、絵具セットや習字セットの出し入れが苦手な息子のために、自分の用意を早く終わらせ、一緒にゆっくり息子の分を手伝ってくれたり・・・息子はとても人に恵まれていると思います。
助けてもらうことが当たり前ではない
ただ、いつも助けてもらっていると、それが当たり前のようになってしまうかもしれません。
そのため、何か人に手伝ってもらった時は「ありがとう」と伝えるように、私や、保育園の先生、学校の先生と徹底しました。
助けてくれるのは決して当たり前じゃない。
助けてくれた人はその分、大変な思いをしているかもしれないし、何かを犠牲にしているかもしれない。
助けてもらって当然なんて思わないよう、一緒に頑張るから人の何倍も努力しようねと息子に伝えました。
孤立しない
障がい児の育児で大切なことは、絶対に孤立しないということです。
私がしてきた障がいの周知が正しいかはわかりません。
人に言うのはちょっと・・・というお気持ちもとてもわかります。
ただ、家族、友達、先生、行政、近所の方誰でもいいのでお子さんの特性をわかってくれる方に話を聞いてもらうことは大切です。
孤立して良いことは何もありませんし、親も子も窮屈で辛く、共倒れの可能性があります。
今はSNSで仲間を見つけることもできるので、ブログやInstagramなどの活用も良いと思います。
特性を受け入れる
障がいの診断名が付いた時、受け入れられなかったり、特性が理解できないということもあるかと思います。
なんでうちの子が?! そんなはずない!!
とてもよくわかります。
何度思ったことか・・・。
成績は良いほうで、みんなに優しく、礼儀正しく、親思い。
夢を見つけ、高校や大学ではその夢に向かって一生懸命頑張る・・・そんな子供を想像してました。
ところが、実際はニコニコ笑顔で尋常じゃなく動き回るラスボス級の のび太君(笑)
息子がお腹にいる間や、産まれてすぐは「健康ですくすく育ってくれればそれでいい」って思っていたんです。
息子は大病もせず、すくすく育ってます。ですが、綺麗ごとで済まないのもわかってます。
社会に迷惑をかけないよう、善悪の区別など教えなければなりません。
まだ先ですが、自立もしてもらいたいですよね。
障がいの診断が付いたとしても、その子の得意不得意、効果的な言葉の伝え方など、育て方のコツがわかるのだからオッケーと考えるのはいかがでしょうか?
障がいがあることを周りに言わず、「こんなことが苦手なんだよね」と周りに伝えるのも良いと思います。
保護者が子供の特性を理解し、受け入れるのは、保護者自身の肯定につながると思います。
まとめ
今回は 息子の障がいがわかった時の保護者や周囲の反応、診断名が付いてまずしたこと、障がい児を育てるうえで大切だと思ったことをお話ししました。
保護者の方が孤立せず、周りと協力しながらお子さんの成長を見守っていけたらと願っています。
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